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夜久野の葡萄

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 Hは大学で4年間を共にした旧友である。卒業後、いったん民間会社に就職したが、ほどなく大学院にもどり、修士課程を終えてから故郷の京都で高校教師をしていた。確か定年前に退職し、今は実家で米作りをしている。
 「草刈りと水の管理しかしていない」とうそぶいているが、何年か前に送ってもらった米は美味かった。昨年も「送るよ」といってくれたのだが、近所(といっても車で行くしかない場所)に精米機を設置しているコンビニをようやく見つけたのに、採算があわなかったのか、精米機が老朽化したのか、仮小屋ごと撤収してしまい、「玄米で送ってもらっても」ということで遠慮した。
 それとは別に、これも数年前から葡萄を送ってくれるのである。「君が栽培しているのか?」と聞くと「違う」という。出荷元は倉垣農園とある。福知山市は京都といっても兵庫県との県境に位置し、夜久野のほとんどは火山灰地で黒土「くろぼく」は一部に限定されているらしい。これを地の恵みとして倉垣農園は減農薬による葡萄の栽培にとりくんでいる。
 同封されていた案内によると、葡萄は房のままにしておくと枝が枯れ、日持ちがしない、軸を2mm程残して冷蔵庫に入れておくと長持ちするとのことである。写真は冷蔵保存の準備をしたところである。私は一度口の中に放り込んだあと皮を出してしまうが、減農薬であるから皮ごと食べられるという。品のよい甘みで美味である。
 お礼のメールついでに、「せっかくなら君が手がけた米をいただきたい。5キロほどでよいから精米したのを送ってくれ(以前は30キロ送ってくれたのだ)」とねだってみた。「来年でいいから」と添え書きしたのだが「10月に入ったら送る」と返信があった。これも楽しみである。

by yassall | 2016-09-21 20:13 | 日誌 | Comments(0)

辣韮の季節Ⅱ

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 鳥取産のらっきょうが届いたのでさっそく漬け込んだ。
 先日、TVを見ていたら、らっきょうとエシャーレットの両方を出荷しているという農家が取材を受けていた。エシャーレットと早採りのらっきょうを比べてみると、まったく同じものである。
 前回の鹿児島産の漬け込みのとき、生でも食べてみるつもりだと書いた。エシャーレットと同じものなら何の問題もなかったわけだ。食べてみると辛みも何もなく美味である。むしろ今年は塩漬けしたものの方が無闇に塩辛く感じる。
 実は来週にも届くことになっているので、次回は塩の量を減らしてみるつもりである。

by yassall | 2016-06-05 12:15 | 日誌 | Comments(0)

辣韮の季節

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 注文しておいたらっきょうがCOOPから届いた。鹿児島産1kgである。日数をおいてしまうと芽が出てしまうから、さっそく塩漬けの準備にとりかかる。根を取っては洗い桶に放り込み、泥を落としながら薄皮を剥いていく。
 水を張った桶に入れておくと、底に沈んでしまうらっきょうと、水面に浮いてくるらっきょうがあるのはどうしてだろう。その程度の思考が単純作業に向いている。
 写真は洗い終わったところ。どうみても泥つきなのに、商品名には砂つきとある。たぶん、らっきょうは砂地や荒れ地でもよく育つからだろう。少し水を切ってから塩をまぶしていく。今年は少し時間を置きすぎてしまったが、さて味がどうなることか? 生でも食してみようと思い、何個か別にしておいた。味噌でもつけて晩酌のつまみにするつもりである。

 

by yassall | 2016-05-11 20:03 | 日誌 | Comments(0)

今年も塩らっきょうpartⅡ

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 前回の鹿児島産に続いて鳥取産らっきょうが出荷になった。今年は砂付きも発売されたのだが、100円違いということもあり、洗いにした。
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 昨日届いたので、さっそくボールに移し、甘皮をむいてザルで水をきる。前回と同じような写真になってしまったが、鹿児島産とかたちの違いがあるようなないような…。
 今年気がついたことは、小さめのを生で食したところ、辛みもあるにはあるが、ほのかに甘みを含んでいるということだ。産地ではさまざまな食べ方をするとのことだが、生が一番という声も多いという。
 らっきょうは生命力が強く、放置しておくと芯の方が伸びてきてしまう。1kgを買って、全部を生のまま保存しておくのは無理だろうが、買ったその日のうちくらいは少量を味噌で食べたりするのもありかも知れない。
 高血圧症になると、医者は塩分を控えろという。高血圧と塩分とはどのような関係にあるかというと、血液中の塩分濃度が高くなると、これを薄めようと水分量を増やす。すると血液量が過多となり、血管への負担が増大する、ということらしい。えっ?そんな単純な仕組みなの?と思ってしまうが、それでは喉が渇いても水を飲まないようにすればいいのか、というとそんな単純な話ではないらしい。
 そんなことを意識してではなかったが、前回は少々塩が多すぎたので、今回は200gにつき大さじ1杯弱の割合で塩をまぶし、タッパに詰め込んだ。さて、味の方はどうなることだろうか?


by yassall | 2015-06-04 11:05 | 日誌 | Comments(0)

今年も塩らっきょう

 埴谷雄高が存命のころ、ある雑誌のインタビューで「あなたの好物は?」という問いに、「塩」と答えていたのを印象的に覚えている。
 「塩」が人間の生命維持にとって不可欠であるのはもちろんだが、もし「塩」のような命のないものだけを食べ物にして生きて行けたとしたら、人間観はずいぶん違ったものになるだろう。まず、「人類は万物の霊長」などと気負ってみる必要がなくなる気がする。
 と、持って回った話題から入ってしまったが、今年も塩らっきょうのシーズンとなった、という話なのである。
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 2年前から始めたのだが、今年は鹿児島産の砂付きらっきょうが出ていたので、泥落としからの漬け込みに挑戦してみることにした。
 包丁であたまとしっぽを切り、洗い桶に入れて泥を落とし、甘皮を剥いていく。ひとつひとつやるしかないから、少なくともすべての個体に2度は触れることになる。
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 洗い終わったらっきょうをザルに入れ、水切りのためにしばらくそのままにしておく。かれこれ一時間半の作業である。
 らっきょうが届いたのが先週の水曜日。その日のうちに下ごしらえをして、その後、昨年と同じように200gにつき大さじ一杯強の塩をまぶし、タッパウエアに詰めていく。
 今週の月曜から食べ始めたのだが、もう少しシッポの部分を切り込んでもよかったかな、というのが反省点。いやなに、一度やってみれば次の年につながるのだ。
 このあと、たぶん鳥取産のらっきょうも出荷されるだろう。今年も見落とさずに注文して、食べ比べてみるつもりである。その折にはまたアップする。


by yassall | 2015-05-20 16:18 | 日誌 | Comments(0)

塩らっきょう

 禅宗のお寺に限ったことのようだが、「不許葷酒入山門(葷酒山門に入るを許さず)」と記した石柱(戒壇石というらしい)が門の脇に立てられているのを見ることがある。修行の妨げになるものを持ち込んではならないという戒めということだ。
 ただし、誰の本だったか、読みようによっては「葷は許さず、酒は山門に入れ」とか、「許さざれども葷酒山門に入る」とも読めると書いてあって、訓詁学とは何かについて説明するとき、よく例え話にした。(現役時代、そのことを同僚のN女史に話して聞かせたら、しばし白文をみて、やっぱり「葷酒山門に入るを許さず」としか読めないわね、と一蹴されてしまった。)
 五葷とは何をさすかは仏家と道家で異なるなどと広辞苑にはあるが、要するに臭いがきつかったり、辛みの強い野菜である。そして、人の好みによるとはいえ、だいたい臭いものは旨いのである。仏家ではにんにく、らっきょう、ねぎ、ひる、にらを五葷とよぶ。

 一番ポピュラーならっきょうの食べ方は甘酢漬けなのだろうが、もともとこれは好きではなかった。ところがあるとき、塩らっきょうを食べてすっかり認識を改めさせられた。以来、市販のイワシタの塩らっきょうなどを買い求めては酒のつまみにしたりしていた。ついでにいうと、飲酒の習慣は食べ物の好みを決定的に変える。にらなんかも、子どもの頃は何故こんなものが食卓に上るのかとうらめしく思ったものだ。

 さて、塩らっきょうを自分で漬けてみようと思ったのは、二方面からの影響による。ある日、川越でなじみのトヨシマさんが、「○○さん、らっきょうが漬かったよ」と声をかけてくれた。「らっきょう? 塩漬けなら食べるんだけどな。」「いろいろ、あるよ。もちろん塩も。」ということで出かけて行った。まあ、久しぶりに顔でも見にいこうというのが主で、らっきょうの方はそれほど期待していなかったのだが、食べさせてもらってびっくり。やはり、市場だか、八百屋だかでちゃんと仕入れたものを、それなりのこだわりをもって漬けたのは違う、と恐れ入ったことがひとつ。
 もう一方面はいうまでもなくnatsuさんの影響である。もうそろそろ20年になろうとするお付き合いのうちでは、枝豆の旨い茹で方から始まって、食に対するこだわりというのか、その一家言で楽しませてもらった。だが、会話としての楽しさは別に、なかなか自分でもという気にはならなかった。ところが、こと塩らっきょうについては心にざわつくものを感じざるを得なかったのである。

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 COOPで食材を調達するようになって、カタログに「らっきょう(洗い)」とあったのを発見したのが引き金になった。本当は砂付きを買って泥を落とすところから始めた方が鮮度がいいに決まっているのだろうが、ここまで来ても不精者の私は、「洗い」の一語に飛びついたのである。
 とはいっても、届いてから一度ボールにあけ、洗いながら甘皮を剥がしてやる。らっきょうというと猿の皮むきの話を思い出すが、果たして猿は食う前に皮を剥くのであろうか? やはり頭の毛が三本足りない人間の話ではなかったのだろうか? (写真は甘皮をむき終わったらっきょう。1kgである。)

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 産地は鳥取である。袋には砂丘らっきょうとあった。トヨシマさんにいわせるとらっきょうは鳥取産に限るとのことである。シャキシャキ感が違うというのだが、シャキシャキという歯触りは鮮度によっても左右されるだろうから、一方の産地を貶めるようなことは私はいわない(昨年の記憶では、鳥取産の食感はシャキシャキというより、コリコリガリガリという感じ)。
 実は、今年は鹿児島産のらっきょうも食べている。ただ、ごたごたとせわしい時期だったのと、洗いは発売されていなかったので、最初から塩漬けされているものを買った。一度、塩抜きをしてもう一度漬け込むための下ごしらえということらしい。酢漬けにするつもりはなかったから、塩抜きをしてそのまま食べたのだが、鮮度のせいなのか物足りなかった。
 出荷時期が異なるのか、砂付きの鹿児島産を買い直そうかと思っていたところに、鳥取産が昨年と同じように売り出された。写真で見ると、大きさやかたちが鹿児島産のものとは少し違っているようだ。色つきのものがあったのでピックアップしておいたのだが、たぶんこちらの方が一般的な形状に近いのではないか。

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 塩加減については誰に聞いても「適当なんだよ」というので、昨年は200gあたり大さじ一杯強にしてみたところ、かなり塩辛かった。今年は少し控えめにしようと思っていたのだが、食べる分だけそのつど塩抜きすればいいんだと直前になって思い直し、昨年と同量にした。ポリ袋で量りながら塩をまぶし、タッパウエアの容器に入れていく。これも昨年はポリ袋に栓をしたままの状態で冷蔵庫に入れ、家族の顰蹙をかった経験からの工夫である(効果があるかどうかは分からない)。フタをする前に中を見てみると、まぶした塩がプツプツと小さなかたまりになっている。とっさに水洗いしたくなったが、辛すぎたら辛すぎた時のこと、また来年の教訓にすればいいのだとそのままにした。


by yassall | 2014-06-04 17:19 | 日誌 | Comments(2)