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生活に書を!作品展in川越

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 横山延子さんは志木高時代の同僚で書道の先生である。昨年4月、同じく志木高校で美術を担当していた木藤恭子さんから「それぞれの紙Ⅱ」展の案内をいただいた。会場の小江戸蔵里ギャラリーに横山さんもいらしていて、2年ほど早く退職し、請われて書道教室を開いていたり、個展を開いたりしているとの近況をうかがった。ずっと年賀状のやりとりはしていたのだが、そのときの縁で作品展の通知をいただいたのだ。
 学生時代、中学校の国語の免許を取るために書道演習に出たくらいで、滅多に筆など手にしたこともない。元来、左利きであるので書道とは縁遠い人生を送って来たのである。ただそれだけに、多少のたしなみがあれば少しは文人らしい雰囲気を醸しだせたのではないか、という憧れのようなものはあったし、墨の匂いとは心地よいものだなあと感じ入ることもあったのである。
 展覧会は30人ほどのお弟子さんたちによるもので、今回で4回目となるのだそうである。昔、書道をやったことがあるのでもう一度始めてみたい、定年を迎えたらぜひ挑戦してみたいと思い続けてきた、など動機はそれぞれらしい。臨書あり、創作あり、書体もさまざまで、たぶん横山さんのポリシーもあるのだろうが、まずは書道を楽しんでいる様子が展覧会全体にうかがえたし、墨痕淋漓というのか、私のようなものにも日ごろの鍛錬や生来の才がそれと知れるような力作も多かった。
 さて、写真はピンク色の掛け軸から左にみて額装された3点が横山さんの賛助出品。筆が生きていて流石としかいいようもないが、さらにその左のねずみ色の軸と額装の2点は志木高で数学の非常勤講師をなさっていたEさんの作品である。書道歴は長いらしく、こちらも気品ただようというのか、それでいて勢いというのか、力強さにあふれた御作だった。
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 会場となった川越市西文化会館は私の川工時代に竣工した。さっそく亀井文夫の映画会を開催したりなど、けっこう活用させてもらったはずなのだが、当時は車でしか行ったことがなかった。霞ヶ関駅から歩いたのも初めてだったし、20数年の間に周囲の道路の整備なども進んだらしく、記憶とぴたりと合致したという感覚を得られなかった。ホールでは川越市民文化祭青少年演劇祭が催されている様子だった。少々交通の便は悪いが市民に使い勝手よく利用されているなら何よりである。このあと、川越駅にもどり、夜からは川工時代の同僚たちと年一度の集まりである。今年は16人が集まった。


by yassall | 2019-02-25 01:44 | 日誌 | Trackback | Comments(0)

つい一言 2019.2

 2月11日の「建国記念の日」は戦前の紀元節で、初代神武天皇が即位した日とされている。その前日の10日に開催された自民党大会で安倍首相はつぎのように述べたとのことだ。

 
「残念ながら、新規(自衛)隊員募集に対して、都道府県の6割以上が協力を拒否しているという悲しい実態があります。地方自治体から要請されれば自衛隊の諸君はただちに駆けつけ、命をかけて災害に立ち向かうにもかかわらずであります。皆さん、この状況を変えようではありませんか。憲法にしっかりと自衛隊と明記して、違憲論争に終止符を打とうではありませんか」

 この報道を耳にして私は強烈な違和感をもった。
 第一に自衛隊が「違憲」であるからという理由をもって、都道府県の6割以上が協力を「拒否」しているという政治状況が、いったい現代日本のどこに存在しているというのか?
 (実際には、さいたま市大宮区の三橋公民館が同館俳句サークルの会員が憲法9条を題材に詠んだ俳句を「公民館だより」に掲載することを拒否した事件を筆頭に、護憲団体の集会に市民会館のホールの貸し出しを拒んだりなど、政権に「忖度」し、むしろ先回りしているような事態がつぎつぎと起こっている。)
  ※
 第二に、これを批判する野党や朝日・毎日といった一般紙の論調である。安倍首相が「6割以上が協力を拒否」と述べているのは、防衛省が各自治体に募集対象者(大学・高校の卒業予定者)の氏名、生年月日、性別、住所のデータを載せた名簿を求めたところ、平成29年度に要請に応じたのは全1741市区町村のうち36%であり、残り64%は提供しなかったことにある。
 これに対し、紙媒体や電子データは提供しなかったものの、過疎地で人口が少ない自治体を除く53%の市区町村では対象者名簿がある場合は名簿を、それもない場合は住民基本台帳の閲覧はさせており、募集担当の自衛隊員は手書きで書き取っていた、したがって36%に53%を加え、約9割が協力したというのが野党側の批判である。
 つまり、協力している自治体が「4割」弱であるのか「9割」であるのか、安倍首相の発言は「フェイク」であるのか「ファクト」であるのかが論点となっているが、それでいいのだろうかという疑問である。
  ※
 2月18日付の『赤旗』で、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が昨年の12月5日に開催した集会「待ったなし!憲法改正の国会論議」で、「全国6割の自治体が、自衛隊員募集に非協力的です」「自治体が円滑に業務を遂行するため、自衛隊の憲法明記を!」などと記されたビラが配布されたことを紹介し、安倍首相の「自衛官募集」発言が日本会議仕込みであることを報じている。
 日本会議は彼らなりの「国民運動」によって「元号法制化」を実現させたことによって存在感を示した。今回も彼ら一流の「国民運動」としてしかけられた公算が強いと私は思っている。それは14日、自民党が所属国会議員に対し、自衛官募集に関連する名簿提出を地元市町村に促すよう求めた「通達」を出した(『東京新聞』2月16日)ことからも、発言は一連の「運動」への最初のインパクトであったとみるのが正しいように思うのである。
  ※
 いやしくも一国の首相の発言が「フェイク」であることが明らかになれば重大な傷手であると普通は思う。しかし、どうやら彼らの戦法はたとえ「フェイク」であっても、新たな「敵」(「災害が起こったときは自衛隊に救援を求めるくせに自衛隊員募集には非協力的な自治体」)を作り出すことによって人びとをあおり立て、自らの主張を押し通そうということにあるのである。いや、「フェイク」であるからこそ、それを押し通せる巨大な力の存在を見せつけられるということを知ってのことなのである。

 かつて学校現場にいた者として、これまでの一連の報道をみて、こんなことが許されるならいずれ学校現場にも「自衛隊員募集」の圧力がかかってくるに違いないと考えたし、恐ろしさを感じた。教員に成り立てのころ、予科練の出身だという先輩の先生方がいらした。戦前では各学校に優秀な生徒を予科練に推薦せよ、というようなお達しがあったらしい。学生時代、先生に説得され、決意したとその先生は語っていらした。教師が自分の勤務する学校のめぼしい生徒に目を付け、自衛隊員募集に応募するよう説得するような時代がやってこないことを祈るばかりだ。
  ※
《付記》
 自衛隊員募集に関して自治体に「協力」を要請できるとする根拠は、「自衛隊法」に自治体が「自衛官募集に関するジムの一部を行う」との規定があること、同法施行令に防衛相は「知事または市町村長に対し、必要な報告または資料の提出を求めることができる」とあることからであるという。
 しかし、「住民基本台帳法」には「(自衛隊への)提供の規定はない」(2003年衆院個人情報特別委員会における畠中誠二郎総務省自治行政局長答弁)のであり、当時の石破茂防衛庁長官も「私どもも(自治体に)依頼はしているが、応えられないということであれば、いたし方がない」と答弁している(『赤旗』2月16日)。「個人情報」の保護という観点からも、対象者名簿の提供に違和感を覚えた。その後、どのような利用のされ方がなされるかも分からないのに、本人たちも知らないうちに電子データで渡してしまうなどということがまかり通ってしまう方が底恐ろしい。
  ※
 野党と一般紙の批判のあり方について述べた。いずれもTV等で知れた範囲のことであり、国会での論戦のすべてを聞いたわけではないし、その後の紙面での展開は知らない。あいかわらず東京新聞はがんばっていて、2月19日の「こちら特報部」では「名簿要求違法の恐れ」という見出しをかかげて特集を組んでいる。
  ※
 政権内部での虚偽、捏造、改竄が止まらない。勤労統計の統計方法の変更は「アベノミクス」の成果なるものに対する重大な疑惑を投げかけている。それでも各調査によると国民の内閣支持率は大きな変化はないのだという。その理由を解き明かすことは大切だし、考えてみたいと思っている。それにしても脱力感に襲われる。そんなことではいけないと、本当に久しぶりに「つい一言」を書いた。(2月19日)


by yassall | 2019-02-19 16:43 | つい一言 | Trackback | Comments(0)