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2014年 08月 07日 ( 1 )

エボラ出血熱の流行

 初めてその存在を知ったときから、何と恐ろしい病気があるものなのだろうかと怖気だった。それでも、これまでアフリカの風土病の域に収まってきたのは、その致死率の高さから「他人に感染する前に感染者が死に至るため、蔓延しにくい」という側面があったからだという。
 ※フィリピンでは家畜への感染例があるとのことである。アジアは無縁というわけにはいかない。
 しかし、今回の流行にはこれまでにない特徴があるのだという。もともとウィルスは突然変異を繰り返しているものらしいが、世界保健機関(WHO)は今回の新株に以下のような特徴が認められると発表している。
 ①潜伏期間が長い
 ②これまで確認されているエボラウイルスに比べて死亡率が低い
 ③強力な感染力
 潜伏期間が長く、死亡率が低い(これまでは約90%であったのに対し今回は57%)ということは、広範囲に感染が拡大する可能性が高いということである。
 エボラ出血熱が知られるようになって30年以上が経つが、これまでの死者数は1,590人(2012年12月現在)であるのに対し、今回は今年の2月に流行が始まってからすでに932人の死者が出ている(8月6日現在)。
 ※また、これまでは患者の血液や便に触れなければ感染しないとされていたが、防護服を着用した医療チームのメンバーにも感染例があり、空気感染の可能性も否定できないという(※)。空気感染があり得るということは、同じ飛行機に乗り合わせただけで感染する可能性があるということだ。
 ※8月13日現在では空気感染の可能性は否定されている。
 実験動物段階では成功例があるらしいが、ヒトに有効なワクチンは開発されていない。もし、世界中に感染が拡大するようなことになったら、人類存亡にかかわるといっても大げさではない。
 杞憂であればいいと思いながら、こんなことを話題にするのは、1918~9年に世界中で猛威をふるった「スペイン風邪」を連想してしまうからだ。
 「スペイン風邪」と呼ばれるが、大流行のきっかけはアメリカが第1次世界大戦に参戦したことによる。ヨーロッパ戦線に送り込まれたアメリカの兵隊がもちこんだインフルエンザウィルスは、大戦による戦死者を上回る死者を出すことになった。戦時中は交戦国は事態を「特定秘密」扱いにした。中立国であったスペインのみが死者数を公表したので「 スペイン風邪」と呼ばれるようになったというのは有名なはなしである。
 一説では、「スペイン風邪」による死者があまりに多かったので第1次世界大戦の終結が早まったともいわれている。世界中で4~5000万人が死亡したとみられているが、日本でも39万人の死者があったという(実際にはもっと多かったらしい)。
 当時とは比較にならないくらい、世界のグローバル化はすすんでいる。アフリカへは日本の企業も多数進出していることだろうし、今回感染が広がっている西アフリカではないが、南スーダンには自衛隊がPKO参加している。
 対岸の火事と思わず、危機意識をもって注目していく必要があると思う。


by yassall | 2014-08-07 14:37 | 雑感 | Trackback | Comments(0)