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マクベス

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 9月に昴の芝居を見に行ったとき、広瀬和の出演情報があった。今回も演出助手をつとめるとともに、いくつかの役で舞台に立つという。初日の21日、13:00の回に出かけて来た。
 ヴェルディはシェイクスピアの「マクベス」を4幕物のオペラとして仕立てた。初演は1847年である。その後、1865年にパリ版として大幅に改定された。ヴェルディの生前には必ずしも評価されず、「ヴェルディはシェイクスピアを理解していない」とするような評もあったそうだ。ヴェルディは激怒し、「シェイクスピアは私の最愛の劇作家の一人」と知人に書き送ったという。
 チラシに「演劇×オペラが満を持して挑む二つのマクベス」とあったが、基になっているのはヴェルディのオペラのようだ。魔女も3人ではなく9人登場し、合唱部分を担っている。客層もオペラファンが占めていて、一曲終わる毎に「ブラボー」という絶妙なかけ声がかかる。舞台の進行も一つの場面を演劇部門のキャストが上演して見せ、つづいてオペラ部門のキャストがオペラで演じてみせるといくような組み立てだった。ヴェルディだからイタリア語なのだと思うが、これなら字幕はいらないわけだ。若い演奏家のためのプロジェクト公演という企画名も紹介されており、何回か同様の公演が続いているらしい。
 というわけで広瀬和の応援で出かけた身としては少々物足りない思いをしたが、演劇としてつくりが粗略であったなどということはなかった。魔女9人の内、3人は演劇部門の俳優がつとめていた。オペラ歌手の声量というのはすごいものだなと感心させられたのは確かとして、演劇部門でもバンコーの亡霊におびえるマクベス、マクベスを鼓舞するレディ・マクベスともに俳優としての力が伝わって来た。
 「マクベス」についてはいつかしっかり学んでみたいと思っている。イギリス史の中でみていくと王位継承の正統性に関する争闘の歴史は根深いものがあったらしいし、イングランドとスコットランドの対立にも長い歴史がある。人間存在を掘り下げていけばいたるところにマクベス的なものは発見されるだろう。柄谷行人は自身が書いた「マクベス」論は連合赤軍事件論だったという。偽王というのがキーワードにあるが、読んでもさっぱり分からなかった。
 公演のことにもどれば企画の面白さも含めて十分楽しめた。広瀬は4月にも舞台があるらしい。良い役をつかんで、実力をいかんなく発揮して欲しい。自信をもって臨め、とメッセージを送りたい。
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 渋谷区文化総合センター。会場の伝承ホールは6Fにある。天気が良かったので帰りにはEM10Ⅱに12-40mmをつけて変わりゆく渋谷を撮ろうと思っていたがホールを出た頃は早くも日が陰って来てしまった。これは入場前に。
 


by yassall | 2019-11-22 18:27 | 日誌 | Trackback | Comments(0)
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