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つい一言 2019.8

 5日の『赤旗』でリニア新幹線建設工事の残土から微量のウランが検出されたという記事が掲載された。

JR東海が進めるリニア中央新幹線建設工事の日吉トンネル南垣外工区(岐阜県瑞浪市)で残土から複数回、放射性物質である微量のウランが検出されていたことが分かりました。この地域には日本最大のウラン鉱床が広がっています。トンネル掘削には住民から不安の声が相次いでいましたが、同社は公表していませんでした。専門家は、住民の信頼を得るためには公表が必要と指摘しています。

 見過ごしてよいことではないと思ったので他紙やTVでどのように取り上げられることかと注目していたが、今のところいっこうに問題視されていない様子である。どうも変だと思って少し調べてみた。すると、リニア新幹線の地下走行ルート上の岐阜県東濃地区には、実は日本屈指のウラン鉱床が存在することが知られており、JR東海のHPを見ると着工前の2012年当時の説明会で次のように回答していることが分かった。

  •  ウラン鉱床については、独立行政法人日本原子力研究開発機構(旧動力炉・核燃料開発事業団)や専門家から、関連する文献・資料を収集するとともに、聞き取りを行い、把握に努めております。
  •  独立行政法人日本原子力研究開発機構は、資源開発を目的に約1400本のボーリング調査を行い、ウラン濃度を確認し、ウラン鉱床の位置を把握しています。
  •  東濃地域のウラン鉱床は、その成り立ちとして、おわん形に窪んだ花崗岩の上部に堆積した瑞浪層群のうち有機物を多く含む土岐夾炭累層との境界部分に蓄積することが分かっていますので、ルートの絞込みに際しては、このウラン鉱床を回避します。
  •  こうしたことから、ウランに関する問題は生じないと考えておりますが、掘削にあたっては、必要に応じて線量計により状況を確認しながら施工することなどを考えています。

     ウランを含んだ残土からは肺がんを引き起こすラドンガスが発生する可能性が高いという。JR東海はウラン鉱床の存在を知っていて着工した。上記のように回答していたということは住民の不安も認識していたはずである。掘削にあたっては鉱床を「回避」したとしているが現実にウランが検出されたからには公表と対策の発表が必要なのではないか? いったい残土はどのように処分するつもりでいたのか? 黙っていれば分からないだろうというのは隠蔽と同じである。どうも政財官そろって体質は改善されていない模様である。(8日)


     昨日投稿した「表現の不自由展・その後」中止問題に引き続き、今日の朝刊にまたまた気味の悪い記事が掲載された。

  •  自衛隊に一審札幌地裁で違憲判決が出た長沼ナイキ訴訟や、沖縄の米軍用地の強制使用を巡る代理署名訴訟をはじめ、合憲違憲などが争われた戦後の重要な民事裁判の記録多数を、全国の裁判所が既に廃棄処分していたことが分かった。代表的な憲法判例集に掲載された百三十七件について共同通信が調査した結果、廃棄は百十八件(86%)、保存は十八件(13%)、不明一件だった。判決文など結論文書はおおむね残されていたが、審理過程の文書が失われ、歴史的な憲法裁判の検証が不可能になった。(「東京新聞」8/5朝刊)

     政府による公文書の隠蔽・改竄事件にもあきれるばかりだったが、司法の分野でも重大な記録がこっそりと廃棄されようとしている。歴史の検証というのは世紀を超えて行われるものだと思う。いったい日本の権力の座にある人々は日本という国が世紀を超えて存続するとは思っていないのだろうか?
     長沼ナイキ訴訟では、「憲法前文にいう「平和のうちに生存する権利」(平和的生存権)」が一審で認められ、住民側の勝訴となったが、二審・三審では「住民側の利益なし」として判決は覆された。さらに、二審判決文では「高度に政治性のある国家行為は、極めて明白に違憲無効であると認められない限り、司法審査の範囲外にある」とする「統治行為論」が砂川裁判に続いて併記された。判例としては残るが、その間にどのような審議がなされたのか、検証が求められるときが必ずあると思うのである。
     施政者は未来における歴史の審判を恐れているのかも知れないが、そんなことではもはや文明国とはいえないのではないだろうか?(8月5日)
     

    by yassall | 2019-08-08 12:53 | つい一言 | Trackback | Comments(0)
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