アパホテルが客室に「南京大虐殺」否定本を置いていることが中国版ツィッターで問題視され、批判が広がっている。問題となった本の題名は「理論近現代史学Ⅱ」、著者・藤誠志はアパホテルの元谷外志雄代表のペンネームであるという。
アパグループが右派パトロンであることは周知の事実で、田母神元航空幕僚長が日本の侵略戦争を正当化したことで更迭された懸賞論文を主宰したのも同グループである。 それで止まらず、今度は新年早々問題になっている東京MXテレビ「ニュース女子」に化粧品メーカーのDHCが深く関わっていることが明らかになった。ネットで検索できる(DHCシアター)ので調べてみると、2日放送の番組では、沖縄・高江の米軍ヘリパッド建設反対派は「金でやとわれている」「韓国人が参加」「「(逮捕されても生活に困らない)65歳以上のシルバー部隊で組織されている」などのデマと中傷を並べたて、あきれるばかりの内容である。同番組は「反対派の暴力で近づけない」などという口実で、実際には現地で取材していないことが明らかになり、批判をあびている。 他の日に放送された番組では、オスプレイの墜落事故に関連して米海兵隊トップの「(人家に墜落しなかったのは)感謝されるべきだ」との発言をめぐって、コメンテーターが「感謝するのが当然だ」「感謝できないのは米軍に対する感謝を忘れているからだ」など、声高に暴言をまき散らして平然としていた。 DHCはMXテレビのスポンサーとしての広告費が23億円、全体の14.3%になるのだという。だが、放送は国民共有の電波を預かるもの。放送法にある「公平公正」の精神はどこ吹く風でいいはずがない。電波停止発言でマスコミに脅しをかけた高市総務相は何も言わないのか? (私は化粧品には縁がないが、健康サプリメントではDHCの製品をいくつか買っている。だが、今後はいっさい手にしないと決めた。)(1月25日) 「共謀罪」(組織犯罪処罰法改定案)は実際に犯罪を犯す以前においても「共同謀議」が認めれれば予備拘束および処罰が可能であるという法律である。先に制定された秘密保護法(国家機密法)とあわせて戦前の「治安維持法」の復活であると批判されている。 その「治安維持法」について興味深い記事があった。施行直前、当時の東京朝日新聞は「治安維持法は伝家の宝刀に過ぎぬ」と警視庁当局の見解を伝え、「社会運動が同法案のため抑圧せられる事はない」と報じたというのである(赤旗「潮流」1.13)。その後、「治安維持法」がどのような猛威をふるい、日本という国家を破滅に導いていく一翼となったかはいうまでもない。 「強権国家」と「強い国家」とは異なる、との感を深くする。政府は東京オリンピックに向けての「テロ等準備罪」と喧伝しているが、とんだレガシー(負の遺産)になりそうだ。菅官房長官は「一般市民には関係ない」などと煙幕をはっているらしいが、対象犯罪は676に上るらしく、確かに殺人や詐欺、覚せい剤の密輸などは「一般市民」とは関係はないだろうが、「組織的威力業務妨害罪」などは市民団体によるデモや国会前集会にも適用されないとは限らない。 これまで3回国会へ関連法案が提出されながら、いずれも廃案になっていることが同法案に対する批判がいかに強いかを物語っている。国会内での数の力で押し切られようとするか、国民の力で跳ね返せるか、今年最初の関門である。(1月15日)
by yassall
| 2017-01-02 19:43
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