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ラスコー展

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 17日、ラスコー展を見に国立科学博物館まで行って来た。先週、西洋美術館の帰りに寄ったところ、閉館だった。それ切りにならなかったところが偉いところである(何が?)。
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 最初に出迎えてくれたのはクロマニヨン人の復元模型である。完全にコーカソイドの顔だちだな、と思っているうちに、はたと気がついた。アフリカにはじまった現生人類は新人(ホモサピエンス)とよばれる。昔、習った世界史の知識としてインプットされているのは、新人=クロマニヨン人であったのだが、正確には、クロマニヨン人とは19世紀にフランスで発見され、ヨーロッパから北アフリカに分布している化石人類を指しているのである。つまり、現ヨーロッパ人の祖先であるから(核DNAの調査でも遺伝的なつながりが証明されているとのこと)、このような骨格や顔だちをしていて不思議ではないのである。
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 展示の中心は洞窟画の複製。複製といっても3次元レーザースキャンなどの最新技術を駆使した精巧さであるということだ。第一、現在ラスコーは閉鎖されており、研究者でも滅多に入れないということで、一般人には実物を目にすることはできないのである。
 写真は「褐色のバイソン・ヤギの列・ウマの列」。フラッシュをたかなければ写真撮影OKということだったので、ブログでの公開も差し支えないのだろうと判断してアップする。
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 「黒い牝ウシ・ウマの列・謎の記号」
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 描画は最初に壁面に線刻がなされ、次に顔料で彩色され、ふたたび彫刻を施す、というような手順だったという。ときどきライティングが変わって、線刻のあとが浮き出される趣向になっていた。
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 「泳ぐシカ」。洞窟のかなり高い位置にも描画があり、はしごを使ったような跡もあるということである。
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 「背中あわせのバイソン」。展示にはクロマニヨン人たちが用いたという獣脂を利用したランプもあった(洞窟の中で発見されたとのことである)。壁画の魅力はライトアップにもあったのではないかと思った。
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 「井戸の場面」。傷を負って死にものぐるいになったバイソンに突かれたのか、不思議な「トリ人間」が倒れている図である。
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 レプリカであるということだが、オオツノジカの骨格標本も見ごたえがあった。肩まで高さが1.8m、角の重さが45kgあったそうだ(国立科学博物館所蔵)。
  ※ラスコーには描かれていないとのことだ。

 初めて知ったことがもうひとつ。洞窟はクロマニヨン人たちの住居であったと思い込んでいたが、どうも違うらしい。クロマニヨン人たちはチームを組み、弁当を持参し、通いで制作にあたっていたというのである。
 描画の動機が芸術的欲求であったとすれば人類最古の美術館、何らかの宗教的な起源があるとすれば最古の教会ということになるのだろうか? このような絵画文化はネアンデルタール人にはなく、ホモサピエンスには共通して見られるという。投槍器の発明によってネアンデルタール人を駆逐していったといわれるが、そのような実用的な道具にもまして、いっそう興味深い。

「ラスコー展」 2/19まで





by yassall | 2017-01-17 20:01 | 日誌 | Comments(1)
Commented by torikera at 2017-02-19 19:07 x
わぁラスコー展行かれたんですネ それだけでも偉い(笑)
展示も工夫してあるようで面白そうですね(^O^)/
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