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A.クリスティー『最後のディナー』『フェイからの電話』を観てきた

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 アガサ・クリスティー「サスペンスオムニバス」『最後のディナー』『フェイからの電話』を観てきた。
 みかわやこと葉山美侑出演の舞台は今月二度目。前回の感想では少々厳しいことを書いたが、今回は、階段を一段上った、と思った。
 推理小説家として知られるクリスティーだが、脚本も数多く手がけ、劇作家としての評価も高いのだそうだ。本作は1950年代にラジオドラマとして書き下ろされ、イギリスBBCで制作、放送されたとのことである。
 演出はジェイスン・アーカリ。イギリス生まれで、ロンドン大学卒業後、ローズ・ブルフォード大学ヨーロッパ演劇芸術コース学科長、早大演劇博物館招聘研究員を経て、現在は有明教育芸術短期大学演劇コース教授。この間、ケント大学大学院で演劇博士号を取得している。
 原作を知らないのでいいかげんなことは言えないが、第1話『最後のディナー』ではダ・ビンチの「最後の晩餐」を思わせるようなシーンが挿入されている。ラジオドラマを視覚化するにあたっての、演出家のいう「新しい演出方法」への挑戦ではないだろうか?
 俳優陣も充実していた。主演の高汐巴は元宝塚男役トップスター、元歌手の加納竜は俳優に転身後、舞台・ミュージカルで活躍し、第2話に登場する丹羽貞仁は二代目大川橋蔵の次男である。ただ、メジャーであるというだけでなく、他の俳優陣も含めて芸達者ぞろいである。
 さて、みかわやである。こうした俳優陣にまざってのことであるから、脇役端役であるのは当然として、第2話『フェイからの電話』では役名もセリフもあるという役をもらい、臆せず、のびやかに演じていた。
 演出はたいへん洗練されていると感じたが、こうした舞台の方が彼女本来の魅力が生かせるのではないかと思った。
 山梨で1公演、東京では2日間で3公演きりで終わってしまうのが惜しいと思うほどだが、つぎのステップへの第一歩になって欲しいと思う。

 会場は銀座・博品館劇場。銀座5丁目から8丁目あたりを歩いていると、「菊水」の看板が目についた。私がパイプ党だったころ、新しいパイプを物色におとずれたことがある。そのうち、その頃のことも書いてみたい。




by yassall | 2014-07-25 15:55 | 日誌 | Comments(0)
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