人気ブログランキング |
<< 「充て」司書教諭について考えること 資料「学校図書館と情報教育」 >>

資料「司書教諭と学校司書との役割分担」

Q10 ずいぶん盛りだくさんの仕事があるようですが、司書教諭一人でまかないきれるものでしょうか? また、司書との役割分担はどのようにしたらよいのでしょうか?

A
 前項で、司書教諭は「学校図書館の専門的職務を掌る」と定義されると書きましたが、学校図書館の運営は理論的にも実際的にも司書教諭一人の仕事ではなく、司書、校務分掌上の他の係教諭などの図書館スタッフの共同作業によってなされます。
 その中でも、とりわけ重要なのは司書と司書教諭との役割分担でしょう。実のところ、これまで実態をもたなかった司書教諭に比し、司書は学校図書館の運営の実質的な中心者となってきましたし、各学校現場においてその専門職としての資格と資質に対する認識は確固としています。司書と司書教諭との関係、役割分担についての共通認識がなければ、現場は混乱するばかりです。学校図書館運動の到達点を後退させてはなりません。
 その際、①相互の専門性を理解し、これを尊重する。②その理解の上に、それぞれが果たすべき役割を考え、協力・共同の関係を確立する。③対立点のあるときは協議し、合意に至らない問題はそれぞれの専門性に帰属する範囲内で解決し、その範囲をこえるものは保留する。などのルールづくりをしていく必要があるでしょう。
 もともと、学校図書館に置かれるべき「人」が、司書の資格を持った教員であるべきなのか、教育職として位置づいた司書であるべきなのかは、論議の対象となる問題でした。その問題に決着がついたわけではありませんが、図書館学を学んで来た図書館の専門職としての司書と、教諭として生徒に授業をした経験のある司書教諭とが、それぞれの専門性を生かして、共同で学校図書館の運営にあたるというのが、当面めざすべき学校図書館スタッフのあり方となると考えられます。
 司書教諭が司書にとって代わるのではなく、新しい職務を創造的に担っていくのだという観点に立つべきでしょう。図書館と教室とのパイプ役となることや、校内組織の改革など、未開拓の分野で力を発揮することが期待されます。
 ただし、この場合、現在の位置づけが教育職と行政職とに分かれるからといって、司書教諭は教育的・指導的役割、司書は技術的・事務的役割などと機械的に分担を考えることは正しくありません。読書相談やレファレンスなどのサービス活動は、技術的内容などと割り切れるものではありません。重なり合う領域も多いはずです。分業というより協業、ときによっては相互補完的な共同・協力関係の確立をめざしていくべきでしょう。
 どちらが主でどちらが従かもつい問題になりがちですが、活動の分野やキャリアによっても違ってくるでしょうし、基本的には相互の専門性に対する尊重があれば克服が可能な問題であるはずです。
 学校を「教える」場から「学びの場」へと変革していくこと、自発性・主体性を尊重し、生徒の学習権を中心としていく考え方は、ますますそうしたあり方を必然にしていくことでしょう。生徒は様々な学習活動の中で学び、育つのであり、そのためには多様な場が提供され、多様な人々によって多様な支援がなされることが必要なのです。そう考えたとき、学習主体にとって、それらは等価なものであるはずです。
(埼玉県高等学校図書館研究会『司書教諭問題Q&A』1999から)
by yassall | 2012-12-04 15:53 | 学校図書館 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : https://sakurago.exblog.jp/tb/18956149
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
<< 「充て」司書教諭について考えること 資料「学校図書館と情報教育」 >>