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資料「学校図書館政策の変遷」

 学校図書館政策の変遷 2010/8
                                        
0.戦前における学校図書館政策
 1873(明治6)年 文部省『小学校建設図』書籍室(図書室)あるもほとんど作られず。
 1924(大正13)年 文部次官通牒『文部時報』「近来小学校ニ於テ教科書ノ解説書若クハ教科書類似ノ図書ヲ副教科書又ハ参考書ト称シテ使用セシムル向有之ヤノ趣右ハ教育上尠カラザル弊害ヲ来スルモノト存ゼラルルニ付厳重ニ御取締相成依命此段通牒ス」
※大正自由主義教育に対する対応か?
 1928(昭和3)年 「御大禮記念事業勧奨ニ関スル件」児童文庫・図書室の設置
 1938(昭和13)年 内務省「児童読物改善ニ関スル指示要綱」
 1939(昭和14)年 文部省「児童図書推薦事業」良書・善導教育

1.戦後初期の学校図書館政策
 1946(昭和21)年 文部省『新教育指針』「図書室・実験室・工作室・保険設備、その他の教室などは、もっと内容が充実せられた上に、もっと自由に使用しうるように、児童に開放されることが重要である」
 1947(昭和22)年 「教育基本法」
 1947(昭和22)年 「学校教育法施行規則」「学校には、別に定める設置基準に従い、その学校の目的を実現するために必要な校地、校舎、校具、運動場、図書館又は図書室、保健室その他の設備を設けなければならない」
 1948(昭和23)年 文部省『学校図書館の手引き』「学校図書館は、新しい教育においては、きわめて重要な意義と役割を持っている」
 1949(昭和24)年 学校図書館協議会『学校図書館基準』(~1959年)
※学校図書館協議会は文部省の諮問機関として1948年に設置。
※1949年文部省『学校図書館の手引き』をテキストに講習会(学校図書館協議会)を開催。
※上記講習会参加者を中心に各地で学校図書館協議会を設立。1950年全国学校図書館協議会(全国SLA)設立。

2.「学校図書館法」の成立と展開
 1953(昭和28)年 「学校図書館法」成立
※国民運動:全国SLAによる請願署名92500名余。
※議員立法:
※『基準』の法制化から「学校図書館法」へ:
※第15国会「幻の学校図書館法」:免許制の司書教諭
 1954(昭和29)年 文部省「学校図書館司書教諭講習規程」告示
 1958(昭和33)年 「学校図書館法」一部改正:13条国庫負担金は高校のみに。
 1966(昭和41)年 「学校図書館法」一部改正:学校図書館審議会を規定した2章8~12条を削除
 1972(昭和47)年 「学校図書館法」改正案衆院通過後廃案:附則2項撤廃、学校司書制度化

3.50・60年代の学校図書館政策
 1958(昭和33)年 文部省『学習指導要領』改訂:「学校図書館の資料や視聴覚教材等については、これを精選して活用すること」
 1959(昭和34)年 文部省『学校図書館運営の手引き』:教材センター
 1960(昭和35)年 文部省『学校図書館における図書以外の資料の整理と利用』:資料センター
 1967(昭和42)年 文部省「公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律」一部改正:学校図書館事務の充実を図るため、生徒数810名(その後の改正で18学級、さらに1992年12学級以上に)以上の全日制の課程または定時制の課程について事務員1名を加算」※義務制の学校については翌年「学校図書館の重要性とその事務量を考慮して」

4.「学校図書館法」の改正
 1997(平成9)年 「学校図書館法」一部改正:附則2項「当分の間」を「平成15年3月31日までの間(政令で定める規模以下の学校にあっては当分の間)」に
 1997(平成9)年 文部省「学校図書館の充実等に関する調査研究協力者会議」設置
 1998(平成10)年 文部省「学校図書館司書教諭講習規程の一部を改正する省令」
   ※学校図書館通論(1)、学校図書館の管理と運用(1)、図書の選択(1)、図書の整理(2)、図書以外の資料の利用(1)、児童生徒の読書活動(1)、学校図書館の利用指導(1)の7科目8単位から、学校経営と学校図書館(2)、読書と豊かな人間性(2)、学校図書館メディアの構成(2)、情報メディアの活用(2)、学習指導と学校図書館(2)の5科目10単位へ
   ※1975年『覚書』=「四者合意」
    1977年『学校図書館法改正法律案要綱』(「四者合意案」)
    1978年 衆議院法制局『学校教育法及び学校図書館法の一部を改正する法律案』(試案)
    1980年『学校教育法及び学校図書館法の一部を改正する法律案要綱』提出
    1981年四者話し合いで、日教組は「『四者合意』をふまえながらも当面、最重要課題として『学校司書』の制度化の運動を先行させたい」。日高教は賛意。
    1987年 日教組臨時大会『新しい司書教諭制度=専任司書教諭制度』機関決定
   ※1993年「子どもと本の議員連盟」設立

5.新しい時代の到来と学校図書館
 (1)「教育改革」「新しい学力観」との関連
 1989(平成1)年 文部省『高等学校学習指導要領』改訂:「視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図るとともに、学校図書館を計画的に利用しその機能の活用に努めること。」 
 1998(平成10)年 文部省「情報教育の推進等に関する調査研究協力者会議」『最終報告』「学校図書館が学校の情報化の中枢的機能を担っていく必要が有ることから、今後、司書教諭には、読書指導の充実とあわせ学校における情報教育推進の一翼を担うメディア専門職としての役 割を果たしていくことが求められる」
 (2)子どもの変化と新しい課題
 2001(平成13)年 文科省「子どもの読書活動の推進に関する法律」
 2002(平成14)年 文科省「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」:「学校図書館は、児童生徒の自由な読書活動や読書指導の場として、さらには想像力を培い学習に対する興味・関心等を呼び起こし豊かな心を育む読書センターとしての機能と、児童生徒の自発的、主体的な学習活動を支援し、教育課程の展開に寄与する学習情報センターとしての機能を果たし、学校教育の中核的な役割を担うことが期待されている。特に、学校教育においては、児童生徒が自ら考え、主体的に判断し、行動できる資質や能力などの「生きる力」を育むことが求められており、学校図書館には、様々な学習活動を支援する機能を果たしていくことが求められる。」
 2002(平成14)年 「学校図書館図書整備5か年計画」
 2002(平成14)年  中教審「新しい時代における教養教育の在り方について」答申:「美術館や博物館,図書館等が子どもの教育に取り組むことは,子どもの教養の涵養にとっても,これら施設の活性化にとっても意義が大きい。」
 2005(平成17)年 文字・活字文化振興法:「国及び地方公共団体は、学校教育における言語力の涵養に資する環境の整備充実を図るため、司書教諭及び学校図書館に関する業務を担当するその他の職員の充実等の人的体制の整備、学校図書館の図書館資料の充実及び情報化の推進等の物的条件の整備等に関し必要な施策を講ずるものとする。」
 2008(平成20)年 文科省「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画(第二次計画)」
 2009(平成21)年 文科省「これからの学校図書館の活用の在り方等について(報告)」子どもの読書サポーターズ会議:(発足は2007年)
※2003・2006年OECD(経済開発機構)生徒の学力到達度調査(PISA):読解力

6.「新学習指導要領」と学校図書館
 (1)『総則』
「学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り、生徒の主体的、意欲的な学習活動や読書活動を充実すること。」(「5教育課程の実施等に当たって配慮すべき事項」(11))
 (2)『国語』
「自分の読書生活を振り返り、読書の幅を広げ、読書の習慣を養うこと。」(「国語総合」 「3内容の取り扱い」)
 (3)『総合的な学習の時間』
「横断的・総合的な学習や探究的な学習を通して、自らの課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育成するとともに、学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探究活動に主体的、創造的、協同的に取り組む態度を育て、自己の在り方生き方を考えることができるようにする。」
 (「目標」)
「学校図書館の活用、他の学校との連携、公民館、図書館、博物館等の社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携、地域の教材や学習環境の積極的な活用などの工夫を行うこと。」(「指導計画の作成と内容の取扱い」)

 「学校図書館はまた指導機関である。問題解決のために図書館を有効に利用する方法を会得させ、読書指導によって読書の習慣づけ・生活化を教え、図書館利用を通して社会的民主的生活態度を経験させる。」(『学校図書館基準』1959)


補.「学校司書」の法制化の展望

○「学校図書館基準」(1959)
「学校図書館に司書教諭および事務職員を置く。」
○「学校図書館法の一部を改正する法律等の施行について(通知)」(1997/6/11)
「学校図書館担当の事務職員は、図書館サービスの提供及び学校図書館の庶務・会計の職務に従事
しているもの」
○「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」(2002/8)
「学校図書館を担当する事務職員は、司書教諭と連携・協力して、学校図書館に関する諸事務の処 理に当たっている。今後、学校図書館の活用を更に充実するため、各地方公共団体における事務職員の配置の取組を紹介して、学校図書館の諸事務に当たる職員の配置を促していく。」
(旧案『学校図書館を担当する事務職員は、司書教諭を補佐し、学校図書館に関する諸事務の処理に当たっている。』)
○「文字・活字文化振興法」(2005)
 2 国及び地方公共団体は、学校教育における言語力の涵養に資する環境の整備充実を図るため、司書教諭及び学校図書館に関する業務を担当するその他の職員の充実等の人的体制の整備、学校図書館の図書館資料の充実及び情報化の推進等の物的条件の整備等に関し必要な施策を講ずるものとする。(8条)
○「学校図書館のチカラを子どもたちのチカラに」(2008/6)
 「学校図書館活動の充実を図る上では、例えば高校だけでなく、小中学校にも「学校司書」を配置して、司書教諭等と連携しながら、多様な読書活動を企画・実施したり、図書サービスの改善を図ったりしていくことなども有効です。」(学校図書館の諸事務に当たるいわゆる「学校司書」は、各地方公共団体・学校の実情に応じて、その配置が勧められてきています。)
○「これからの学校図書館の活用の在り方等について(報告)」(2009/3)
 「学校図書館の業務の専門性を考え合わせると、専門的な知識・技能を有する担当職員である、いわゆる「学校司書」の役割が重要となる。学校図書館担当職員については、現在、その職務内容の実態等は様々となっているが、「学校司書」として、図書の貸出、返却、目録の作成等の実務のほか、資料の選択・収集や、図書の紹介、レファレンスへの対応、図書館利用のガイダンスなど、専門性を求められる業務において大きな役割を担っている例が少なくない。」
○中教審「今後の学級編制及び教職員定数の改善について」答申(2010/7)
 「学校教育の中で学校図書館が十分に活用され読書活動が推進されるよう、学校図書館業務の充実に向けた教職員定数の改善が必要」


《参考文献》
「学校図書館法改正」 全国学校図書館協議会(1983)
「学校図書館論」塩見昇 教育史料出版会(1989)
「学校教育と図書館」 第一法規(2007)
「学校図書館の光と影」 八千代出版(2007) 
by yassall | 2012-11-26 13:37 | 学校図書館 | Trackback | Comments(0)
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